2016年3月17日木曜日

マイナス金利、効果見えず

マイナス金利については過去に3回ほど載せました

マイナス金利(1/31)
マイナス金利の余波(2/5)
マイナス金利の件(2/23)

よほどのことがない限り、この件に関することは恐らく今回が最後になりそうです。

日本の金融機関が日銀に預けている当座預金。金融機関はこの預金に応じた金利を日銀から受け取っています。
マイナス金利は、この預けた金額に応じてマイナスの金利、手数料のようなものを払うことになります。
ですが当座預金の全額にマイナス金利が付くわけではなく、ごく一部です。
日銀は預かった当座預金を3段階にわけ、プラス金利(0.1%)、金利なし、マイナス金利(-0.1%)がかかるようにしています。その分類は毎月発表されます。2月に発表された1月分に引き続き、先日2月分の発表がありました。
結果、2月の当座預金平均額253兆円のうち、23兆円あまりがマイナス金利分です。
平均額もマイナス金利分も、1月とほとんど同じ。

ロイターの報道によれば、日銀の思惑はこのようだったらしいです。
マイナス0.1%の金利がかかる預金を多く持つ金融機関がこの一部を放出する一方、プラスやゼロ金利残高に余裕がある金融機関が、マイナス金利で資金を調達。その資金を運用することで、利益を得る裁定取引が短期金融市場で発生する、というもの。
この裁定取引が進めば、マイナス金利適用の預金額は3兆円くらいまで減る(その分、資金が市場に出回る)と見込んでいたようですが、2月、3月の様子を見る限り、資金が動く気配すらありません。

あきらかに黒田君は失策したようです。
さて、次の一手が欧州の後追い、「マイナス金利幅の拡大」、というような、一種のヒステリーか、あるいは小学生レベルのことであれば、日銀総裁は変えたほうが良いでしょうね。
そもそも中央銀行の手段にも限界があり、見通しが伴わないこれらの手法は傷口が広がるだけです。
景気浮揚、インフレ率を上げる(景気を活性化する)なんて本来は政府の管轄で、日銀はサポートかブレーキくらいの役目が関の山だと思いますねえ。
つくづく、黒田君は運のない人と思います。


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