2015年7月4日土曜日

プエルト・リコの再建、ギリシャの再建

6月29日にアメリカの自治領になっているプエルトリコが連邦政府に破産法を申請したとニュースがありました。
7月2日に破産(デフォルト)は一旦回避したとニュースがあったので一応危機は脱した模様ですが、借金がなくなったわけではないので、その場しのぎをしたにすぎません。
よほどのことが無いかぎり、プエルトリコのデフォルトは時間の問題と思います。
(よほど、というのは債権者が債務支払いの延期=先送りに全面的に合意する、ということです。)

欧州ではギリシャが破産(=デフォルト)になるかどうか、という時にタイムリーな話題です。
プエルトリコってどこよ?って思っている人も多いかと思います。
アメリカ合衆国に属している自治領です。
自分は天文少年だった時代があるので、プエルトリコ、といえば世界最大の電波望遠鏡があるアレシボ天文台がある場所としてなじみが深いです。
アレシボ天文台は、地球外生命体に向けて信号送ったり、地球外生命体を探るプログラム「SETI」で有名です。




プエルトリコは正確には州とは異なり、一般的な地方自治体のカテゴリーではないようです。なので、連邦政府にチャプター9 破産申請しても法律上での取り扱いがどうなるのでしょうか。

地方自治体の破産と言えば、日本では北海道の夕張市、アメリカではデトロイト市の例があります。
ギリシャも欧州共同体いうくくりの中の地方自治体のようなものかもしれません。
いまや、ギリシャは破産するのでは?という論と、破産を免れるのでは?という論が相半ばしているように見えます。
明日にはEUから求められている再建計画を受けるべきかどうかをギリシャ国民に問うため国民投票が開かれる予定です。
破産しないためには、債権者に債務支払いの延期を飲んでもらう必要があり、債権者はその代わりに確実に債務が支払われるための改善策をギリシャに求めています。
ギリシャの国民には痛みを伴う内容なだけに、この要求はギリシャ国民は容認しないのではないかと思います。そうなればデフォルト、と言うことになります。

破産した先にどうなるのか?という論はあまり見かけません。
破産が「破滅的な状況」とするなら、破滅の先は考えたくないのか、そもそも破滅の可能性が低いのか。
破滅、というと大げさで実際は大したことがないかもしれません。

ギリシャがデフォルトになったら、夕張やデトロイトのようになると考えればいいような気がするのです。
EUから脱退するのかどうかは、この際どうでもいいことのように思います。
破産後の支援の手はEUの手を借りるまでもなく、いくらでもありそうです。(むしろ支援の名を借りたハゲタカの活躍の場になるかもしれません)
EUの脱退や支援の有無にかかわらず「公務員」と呼ばれる政府組織は大いに揺さぶられるでしょう。
ギリシャ国民の年金など社会保障(正確にどういう仕組みになっているか知りませんが)が大きく影響を受けるでしょう。
今ですら若者の失業率50%くらいあるといいます。これもさらに悪化するでしょう。
ギリシャの芸術や歴史遺産に関しては、その保護を名目に世界から救いの手がある程度差し伸べられると思うのですが、ギリシャ国内でその資金がそのまま本来の目的に100%使用されるかどうかは怪しいところです。
少し前の時代であれば、行き詰って追い詰められて、戦争!という展開かもしれませんが、現時点でのギリシャの国力で、その選択肢は限りなく低いと考えます。
しかし、国境での問題(マケドニアとかキプロス・トルコ)ではややこしいことになるかもしれません。

破産はギリシャが抱える他国の債務が空手形になると言うことなので、この方がより深刻でしょう。(世間で騒がれている理由はむしろこちらの理由によるものです)
一番影響を受けそうなのはドイツと言われています。
ドイツが影響を受ければEU全体に影を落とすでしょう。
このギリシャ問題で中国の李克強首相が発言してました。必ず良い解決に向かうはずだとか、破産しても支援を継続するとかなんとか。
この件への中国の発言は興味深いです。
実は、ギリシャ問題の件で、めぐりめぐって中国国内の中小金融機関のデフォルトがドミノのように発生する、というのが私の考える最悪パターンでした。
最近、この中国国内のデフォルトは少しづつ発生し始めています。
ギリシャ危機が思いもよらぬ国に飛び火すると、世界規模の金融不安につながりかねません。

プエルトリコからギリシャ、そして中国を経て世界という話の流れになってしまいましたが、決して突拍子もない話でないことは、私たちはリーマンのときに学んでいるはずですよね。

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