2015年6月20日土曜日

アメリカと中国と日本

アメリカと中国は第二次大戦の戦勝国です。
日本は負けた国です。
そもそも、その対戦のきっかけとなったのは、日本の中国侵略があり、中国権益の場を奪われたアメリカが懲罰的な外交カードを切ったため、お互いに追い込まれた挙句の日米開戦になりました。
その当時は帝国主義全盛の時代です。
ちなみに、アメリカが現代において民主主義や資本主義という「正義」を中東世界に押し付けようとして開戦したのも、帝国主義、と言えなくもありません。
中国の南沙諸島における軍事行動もしかり。
アメリカや中国はそういう意味では古い体質からいまだに脱却できないままです。
大きな軍事力を持つとその使い道が自国防衛、という型からはみ出してしまう好例といえるでしょう。

さて、これら2大国の間に地理的に挟まれた日本の立場はどうでしょうか。
国際上、日本は独立国ですが外交上ではアメリカの従属国です。
戦後70年も経つと言うのにアメリカ軍の進駐軍がいまだに日本国内に基地を有し、その在日米軍基地は日本の法律は適用できない治外法権の場です。
70年前の戦争の余韻はアメリカにとって甘美なことこの上ないでしょう。
アメリカのアジア戦略上重要な場所に、アメリカの発言権を高められる軍事基地を確保しており、さらにその経費は日本が肩代わりしています。
基地がある日本の住民が基地移転を主張していますが、傀儡の日本政府を表に出してのらりくらり交わしておけば、この件は日米の深刻な外交問題にはならず、なぜか日本の国内問題として処理できるのです。

さて、このようなわけで日本は外交上ではアメリカの従属を強いられています。
実は国内政治においても、アメリカの圧力がない訳ではありません。日本に対して毎年、「年次改革要望書」なる奇怪な文書が交わされていました。
表向きは両国お互いに要望を出すと言う体裁ですが、その実効力を見れば実際には日本に対する内政干渉文書という現実が分かります。
またこれは自民党支配のときに成立し、民主党支配時に廃止されました。内政干渉を廃止に導いた政治家の、国内の評判は非常に悪いです。
普通だったら内政干渉という深刻な問題のはずですが、この件もあまり深く国民の意識に浸透していません。

中国との関係は、政治的にはこれといって大きな干渉を受けたことはありません。表向きにも秘密裏にも。
現在、国境問題で深刻な関係になっていますが、一方的な関係ではありません。
アメリカにとって日本は、あくまで外交上の駒でしかありません。この2国間は少なくとも政治上、外交上は対等とはいえない関係です。
発電所としての役割を人間に求めた機械が支配するの世界を描いた映画がありますが、この映画で言えば機械=アメリカ、発電所としての人間=日本、と言う風に見えます。(支配、被支配の巧妙な関係はどの時代どの場所でも同じなのでしょう。)

私としてはすでに戦後70年も経っているので、いい加減にアメリカとは対等な立場で接する時期が来ていると思うのですが、自民党政権ではかなわないでしょう。
この脱却のためにも、自民党には政治の場から退場いただきたい、と望んでいます。

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